永濱修|MY LIFE お世話になっている社会に私ができること

エッセイ

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消え去るまでにこの感激(しあわせ)を

永濱 修
新学期に入ったある日、一年に一度発行されている西宮苦楽園中学校とPTAの共同誌「欅(けやき)」35号と共に大時計改修記念行事の案内と出席依頼が届けられました。

実はこの学校の校舎壁面の塔時計の修理を頼まれたのです。何とか直したいと取り組くみ、多くの人々の助けを得て完成した時は、1ヶ年を費やし、35年前の創設以来の姿をそこに戻しました。その完成を受け、今回の記念行事が行われご招待を受けた次第です。謝辞を受けた後、少しお時間を頂き生徒達に私の体験に基づく取り組みをお話させて頂きました。最後に体育館で全校生徒による合唱を聞き感動を体験する事になりました。それは、趣味で聴く劇場のステレオとは違い、そこらでは味わえないものでした。生徒500名全員が体育館内に、凹字型に並びその中央に私達が置かれるという3チャンネルサウンドであります。少しオバーですが痺れ涙が滲みました。

今回、この時計を携わるに当り、いま思うと、やはり校長と私どもの心の接点があったように思えてなりません。この文をお読みくださる皆さまに少し、ご理解を深めて頂く為にも紹介をさせて頂きます。


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校長の書かれた欅35号の巻頭言を、お許しをえて紹介をさせて頂きます。

「決してあきらめない心 克己の精神」

校長  森 陽子

南校舎壁面に苦楽園中学校のシンボル的存在の時計があります。いつの日か、時を刻まなくなってずっと長らくそのままになっていました。

二年前のことです。修理をお願いしました。古くて部品も無く修理不能ですと断言されてしまい、仕方なくそのままにしていました。時が過ぎ、昨年九月、体育大会の日、止まったままの時計に気づかれたお客様が「時計の観念を教えることは大切なのに、学校のシンボルとも言うべき時計が止まったままとは残念ですね」とご指摘を頂きました。再度、診断して頂きましたが、返ってきた診断結果は一年前と同じでした。こうなったら取り外すしかないと決断しました。そのとき職員から「僕が何とかしたい」「あの時計がなくなるのは淋しい」という声があがりました。そんな簡単にあきらめてはいけないと、職員が大切なことに気づかせてくれました。以来、南校舎壁の大時計のことが脳裏から離れませんでした。なんとかしたい、なんとかすべきだと。

その時です。平成十九年十月五日、兵庫の匠キャラバン隊のひとりとして姫路から子どもたちに熱心な指導をして下さっていた永浜時計店の永濱さんのことを思い出したのです。「時計の数だけ人には思い出がある」と壊れて動かなくなった時計と向き合いながら、止まった時計に息を吹き込んでいらっしゃる永濱さんに早速連絡を取りました。それからしばらくして同じ兵庫の匠の重栖さんと一緒に見に来て下さったのです。何十年も取り外されることもないままに見放されていた時計を、脚立をいっぱいに伸ばし、丁寧に取り外されました。「とにかく直るかどうかわからないけど、直したいですねえ」とおっしゃって、しばらくお預かりしますと持ち帰ってくださいました。今までただ、見ただけでだめですと言われていた古時計、止まって壁からおろされることすらなかった時計は、さぞかし喜んだことでしょう。これで直らなくても本望です。と言っているように思えてなりませんでした。

その後の調査で、時計の心臓部分ともいうべき親時計も数年前に撤去されてしまっていました。この事実は致命傷でした。
しかし、それから五ヵ月、永濱さんはお忙しいなかを製造会社に根気よく修理方法について提案をしてくれていました。
永濱さんの熱意に、ついに大会社が動きました。今年の大寒のある日のことでした。「修理方法が見つかりましたよ」とにこやかな笑顔で説明してくれました。
春の到来とともに壁の大時計が再び時を刻む日がきっと来ると確信しています。

永濱さんの書かれたことばに「どんなに困難な修理でも直したいという強い気持ちで一歩踏み出せば、時計は必ず元の状態に戻るのです。」とあります。プロの心を学びました。教育に携わる者として、私たちはどんなことがあっても、決してあきらめることなく、勇気を持って、地域や保護者の皆さまに信頼される学校となるように、すべての子どもを社会化するために、誠心誠意、尽くしていく所存です。と締めくくられていました。
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「克己の精神」私自身、一歩踏み出した活動の半ば、趣味削減、睡眠削減、身体の不調、家族の理解不足等々で幾度となく挫折しそうな時、求められる力に後押しされ幸いにも挫折から救われた経験があり今があります。校長が言われる「克己の精神」が大切だと!

いま思うと、縁(えにし)があったことを感謝せずにはおれません。
「幸せは一歩踏み出すこと、そして自らが変わること」。今回、活動の方向性を確認でき、意義のある一日を与えられました。心の宝物がまた一つ火を灯しました。

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image.jpg森校長さまからの手紙1.jpgimage.jpg森校長さまからの手紙2.jpg
校長さまから頂戴したお手紙


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こちらから出したお礼の手紙
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image.jpg-kurakuenkousya.jpgimage.jpg-kurakuenkousya.jpg-2.jpgDSC06619.JPG
苦楽園の岩山に立つ中学校 同志、重栖氏と共に 生徒達が織ってくれた千羽鶴
この足場は同級生の中川さまが無償で貸して下さったものです 響き合いです
感謝の一途につきます
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